52Hz

私の文章に論理性を求める気でしょうか

ハバナ、パラナ、パッパラパー

昔の日記
くーばのはなし
 
2018年のことだった。初任給で拵えたタトゥーと一緒にキューバに行くことにした。新卒で入った会社で「ロクな」仕事を貰えず毎日昼休みに泣いていた末の素っ頓狂な決断である。
おい、ロクな仕事ってなんやねん
 
滞在ビザ申請費がチケット代金に既に含まれていたことを知らない日本人ツアー客を横目に「ざまあみろ。私は勤務時間中に調べてやったぜ。仕事がないからな。」などと思いながら空港を出る。実際、エアカナダには真昼間から電話で何回も連絡をした。英語を使うことが許されない環境でエアカナダのコールセンターに救いを求めたのだ。承認欲求が強く被害妄想が過ぎる、底辺の人間のための貴重なライフラインだった。
 
キューバはこうだった」という文言は(マジもう本当)つまらない。しかし、一言で表すならば(表すことが許されるのであれば)とにかく「ゲバラが街に溢れている代わりに物がない国」だ。医者は多いが薬がないのだ。
 
外国人とキューバ人の線引きは至極明確であり、かつスペイン語話者と非スペイン語話者の彼らの線引きは火を見るより明らかである。だからかは知らないが、期待度でも上がるのか。異質者のわたしは歩く度呼び止められて薬の無心をされた。こんな中国人が特殊な薬を持っているはずがないがないのだ。そんなの知っている。それでも話しかける。呼び止められた側は賭博でハズレを出し続けるサイコロの気持ちをひしひしと実感しながらごめんねを繰り返す。
 
キューバで一番面白かった記憶は、場所に限らずいつも「外国人が勘違いする」場面である。普通は普通ではないと教えてくれる良き反面教師である。キューバでもそうだ。外国人の中に勿論私も含まれてはいるけれど、そういう経験は既に恥のパワーで意識の外に蹴り飛ばしてある。
 
キューバでは、インターネット接続は「時間プリペイド式」であり、自分でデータを都度購入する必要がある。(10分100円かしら?)
毎日朝8時から郵便局でデータが購入できるから、だいたい7時半から人が集まり始める。その時のキューバ人達は、データを買うために列を作るなどということはしない。彼らはミリタルを知らない。(おいおい、いいのかそんなこと言って)ただし順番は待つ。到着したら待ち人全員に誰が最後に来たか聞き、その人の顔を覚えてから、各々好きな場所で待つ。
 
その仕組みが分からないのが外国人だ。
最高だったシーンは、列を作らず待っている人間たちに対して「こんなのおかしい。アメリカでは…」を繰り返す「そういうタイプ」の集団が喚いている場面であった。勿論現地からは総スカンを喰らっていたので、私はあんな風にはなりたくないと思わせてくれた。私の人生には必要な人間達だったのかもしれない。そう、white saviorsは私が白人化しないように私を救ってくれたのだ。皮肉の上に皮肉を被せた話である。
 
 
しゃんはい
 
直属の上司から盗撮されていると気が付いたのは仕事を始めて丁度一年が経った頃だった。2018年秋頃の話だ。
 
その頃は確か月1〜2回海外出張をこなし、外国の現場を周り「優秀そうな新卒」を演じていた。「私が優秀だから外国に出してくれている」と勘違いしていたのである。幸せな勘違いであることよ。出張経費たち、ごめんな。お前たちは、結局のところ、写真撮影代だと思うよ。
 
よい給料、スタンプで埋まっていくパスポート、貯まるマイル、ファーストクラスのラウンジ入場券は私の勘違いを加速させた。飛行機のご飯をシーフードに変更設定するのが一番の楽しみの、本当に手の施しようのない人間である。
 
上海でも面白い人間に会う。今回は日本人である。どこかの建機リースの海営部長だ。宴会場に連れてきていた5年目くらいの若手を叱り飛ばしていた。理由はタクシーである。2人は勿論一緒のホテルだから、若手は部長と一緒に帰ろうとしたのである。
 
しかし、その部長様は「俺は偉いんだから一緒に乗るなんて何を考えているんだ」というやんごとなき論を持っていた。他人の考えることはよく分からない。日本社会にはそういう決まりでもあるらしい。喚く彼の横顔を見ながら、人は偉くなるとこうも横暴になり、自分に特別感を感じるのかと感心していた。
 
人間は元来そういうものだ。いつの間にか「会社名」とか「役職」とか「国籍」が自分の名前の盾になる。自分の名前だけで戦えなくなる。でも、それは長い競争と努力の果てに獲得したあなたのトロフィーである場合もある。わかる。わかるよ。わかったふりかもしれない。
 
しかし、20代になっても大学名で戦おうとする同級生を軽蔑し、過去の武勇伝を喋り散らかす老齢の先輩方に飽き飽きし、そんな親を持つ子供,たちを憂うのが癖の私は、これからも変わらないかもしれない。ここで「精神的に向上心のない者はばかだ」と断罪する気はない。話の核にあるのは向上心ではない。私もあなたも持っている粘着質の優越感だ。
 
ここらへんだったか?
日本逃亡計画を始めるのだった。場所はどこでも良い。メキシコにでもしておこうか。
 
 
ぶらじる
 
2019年2月、上司を人事に引き渡す仕事を終えた。
ニュージーランド出張に行ってから人事に伝えた。奴は有能だし、私はお飾りのコンプラを全く信用していなかった。新人の私が切り捨てられる側だと思っていたので、最後に林業の最先端をひと目見に行きたかった。
 
警察には伝えなかったし、お金も要らなかった。早く逃げたかった。無かったことにする上層部、社会とはなんたるかを説き続ける私より40歳しか違わない人間達、昔はもっと大変だったと語るCSR室に鎮座するシンボリックな女性室長、3週間に一回の頻度で流れるセクハラ関連のニュース、司会者の隣で静かに佇み、笑うときには口元を抑えるアナウンサー。
 
その後、退職までにカリフォルニアとブラジルに行けと言われた。追加でオレゴンとケンタッキーにも行った。色んなところに行ったとは思うが、この時期の記憶はほぼ無い。実に危ういピロピロピーの精神状態である。
 
会社を辞める前に新しい上司から「こんなに経験させてもらって辞めるのは迷惑だ」という主旨の有り難いお言葉をいただいた。時間を遡ってその人の顔面に向かって叫び倒したい。
「私の!人生に!迷惑が!かかったんだげんちょもない!」
 
 
 

New Zealand in February

羊さんは、9月にタイで本性を現し、2月にニュージーランドで肉にされました。

精肉屋さんも思い悩んでいたのです。羊さんにはもう直ぐ高校に進学する娘さんがいましたから、彼の家庭を壊してまで精肉屋さんが精肉屋としての仕事を全うするべきなのかどうか、5ヶ月近く悩んでいました。

ところで、この世界では人間より動物の方が権力を持っています。だから、「動物の」精肉業は歓迎されません。一頭の羊さんをお肉にするために、精肉屋さんはあらゆる法的手続き、所属先“人事”との交渉を進めなければいけないのです。

品川駅で買った包丁をスーツケースに忍ばせて、ニュージーランドに発ちました。羊さんも一緒です。21時になってもまだ明るい牧場の隅で、何も知らない羊さんは肉になりました。

 

 

 

 

 

アイスのはなし

権力を持つようになったらこれを読め。

アイスを食べたので。

 

アイスにとって大事なのはなんだろうか。アイスを“良いアイス”たらしめているのはなんだろうか。「味」だろうか、「色」だろうか。それとも、「食べる瞬間の溶け具合、食感」「食べる時期」「健康的な砂糖の量」「アイス[らしさ]」「伝統」「ブランド」「(あなたの)政治(のスタンドポイント)的に正しいか(例えば販売元の食品会社が環境規制を無視していたり、絶滅危惧種の一部が材料として使われていないかどうか、とか)」だろうか。

評価軸の多様性を無視し、独自の価値観のみに固執している人間の話を聞くのは失笑ものだ。あなたの評価軸は私にとっては意味がないのだ、あなただけに意味があるのだ。あなたの土俵に私を乗せても、残念ながら土いじりと写真撮影を始めるだけだろう。土の城を作る私とそれを見て優越感や安心感を覚えるあなたの構図を考えるだけで、とても人間らしくて愛おしくなるのだけれど。

 

将来の私は、「私の都合の良い指標を用いた評価軸」を周囲に押し付けるというような事はしてはいけない。

深みのある他人の人生をスキャナにかけて二次元化し、分析して採点用紙を叩きつけるということは、その他人がどれだけ自分より若かろうと、してはいけない。

もし逆に押し付けられたら、その世界からそっと離れなさい。

 

 

他人と比較することでしか人間の価値を測れない現代社会の悲しき人間たち、乾杯!わー!私も混ぜてー!

 

ゆめのはなし

夢みた、4つくらいに分かれてた

1つ目は多分中学校の部活の大会

団体戦個人戦、ダブルスの試合時間を把握していないことに自分でいらついている。

そのうち友達の試合時間、接戦。なぜかその子は中学時代その部活になんか入っていない。最終マッチポイントで嫌味なサーブを出されて敗退。審判長に掛け合うが流されて終了。その時審判長に過去の無礼的なものを謝ろうとしたけど、謝らなかったわたし。

(過去に声を出しすぎて威嚇行為とされたのを「はぁ?」という態度で審判長を追い返した覚えがあります、多分それを夢の中だけど謝りたかった。いやー、どんだけ、わたしー。) 

 

2つ目、場面変わって中学校と高校が混ざったような校舎。

学校の廊下で一人で練習している、最初男の子が来て2セットやって去っていった。次はひたすらボールよりも低い体勢に入る練習。そんなときmちゃんとaちゃんが来る。「廊下で練習して見せびらかしている」と思われたくない私、なんとか実習室みたいなところに入って隠れる、その時にボールをなくしてしまって探すがそのまんま。

中学生の時は褒められることを異常に警戒していたんだな、いじめられる生徒会長ってなに〜。

 

3つ目。なぜか黄色いボリウッドから出てきたような黄色い服を着ていて、発表の順番を待っている。グループでの発表で、部活の同期と3:3くらいに分かれて待機している。なぜか他人の視線の先がわかる(コワ)から、やっぱ団体行動は向いてないわチャオ、って思って目が覚めたのがAM6時